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これからの小説は「スマホをいじりたくなる」感覚に勝たなければならない

複数のタイムラインがもてはやされる時代

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水谷です。

今回はいつも拝見している「隠居系男子」さんから。

inkyodanshi21.com

この中で、高城剛さんと佐々木俊尚さんの対談が引用されていました。

引用の引用ですが、ここに記したいと思います。

 

佐々木 インターネット時代になって、検索もあるしSNSもあるし、ありとあらゆるところに情報がありますよね。ある意味、自分が望んだ瞬間に情報が手に入る。情報がジャストインタイムみたいな状況になってきていて、常にすべてがあるっていう。ありとあらゆるものを同時並行的に吸収、消費するっていう状況が出来ているわけです。

例えば、2000年代に入って『24-TWENTY FOUR-』って流行ったじゃないですか?

高城 アメリカのテレビドラマですね。

佐々木 あれって、ワンエピソードがひとつの時間軸のなかにあって、主人公だけでなくいろんな人たちが同時並行で、複数のタイムラインで動いていて、それがどんどん切り替わっていく。視聴者は、普通に4つぐらいの並行した話を吸収して楽しむわけです。

でも、あのドラマを1970年代の消費者が見ると、多分理解できないんじゃないかな、と。

高城 反対に、僕らが昔の映画を観るとダルいですもんね。最近の映画の予告は、5秒で勝負ですから。そして、リピート。

佐々木 そう、3時間ある作品とか。タイムラインもひとつのものが多いですしね。

高城 ノンリニアになってない。

佐々木 つまり、インターネット以前の人間ってひとつのタイムラインの中で見る、生きるっていうのが当たり前だったんです。

ところが、現代に生きる我々は複数のタイムラインを見る、生きることができる。そういう感覚に変わってきてるのではないかな、と。そういう状況の変化と、高城さんのような多動的な人たちが脚光を浴びるっていうのは、無関係ではないと思うんです。

高城 おそらくですが、感覚的に多動的であることが気持ちいい時代なんですよ。

 

確かに「テレビ見ながらスマホ」はもう当たり前なんですよね。(倫理的に良いかは別として)

ご飯食べながらスマホ。歩きながらスマホ。パソコンいじりながらスマホ。

 

そんな今のユーザーが求めているのが「多動的で複数の軸がある物語」

 

 

そして、それを受けて「隠居系男子」さんのブログ記事はこんな感じ。

最近流行った映画を振り返ってみてもそうです。

『シン・ゴジラ』は各省庁の話が行ったり来たりしますし、『君の名は。』も入れ替わっている男女の日常生活が行ったり来たりする作品ですよね。

一方で、先日公開されたばかりの、映画「SCOOP!」は福山雅治さんを中心に、ずっとひとつのタイムラインで話が進んでいく映画なので、観ながら少し退屈してしまいました。

どう退屈なのかといえば、途中でスマホに手を伸ばしたくなる感じ。

 

この感覚はとても良く分かりました。

「本気で見ないと取り残される物語」でない限り、現代人はスマホを触るんです。

 

そして一度スマホを見てしまうと、作品の世界観から脱落して満足度は低くなる。

 

つまり、あらゆる娯楽作品のライバルはSNSであり、検索であり、LINEになってきているのですね。

もう一つの要素「展開の速さ」

「多動的」に加えてこれからさらに重要になるのは「展開の速さ」

圧倒的なのはワンパンマン。最初の辺なんて、主人公が出てきてラスボス倒して終了、ですからね。

 

最近だとジャンププラスの「オニマダラ」もこれに当てはまります。

www.mizutanikengo.com

 

どちらも読者が「余計なこと」を考える時間を極力減らしている物語です。

[まとめ]小説の構成ではどうするべきか?

前述した通り、僕たちは日常的に2〜3個の物事を同時に進めるのに慣れてしまいました。

 

テレビCMの間に、LINEでやり取りをしながら、Twitterのタイムラインを見ている食事の時間。(あれ、4個入っちゃた。)

 

これほどまでに情報とアプローチ手段が溢れた現代において、自分の作品だけに目を向けてもらうには、

「多動性」

「展開の速さ」

が必要になります。

 

一つ例として紹介しますと、最近comicoで話題になっている作品「知り合いかも?」はそれを踏まえています。

novel.comico.jp

 

この作品が人気なのは「会話文主体のテンポの良さ」そのものよりも、地の文がない結果として「展開が早く」なったこと。

そして1話ごとに視点が変わる「多動性」にありそうです。

 

「読者が飽きない作品作り」の重要性はあちこちで言われていますが、その正体が(今の時代においては)こんなところにあるのかもしれません。