映画「怒り」を見て。伏線やドンデン返しは「作家でも驚く」がポイントなのかも。

映画「怒り」を見ました。

水谷です。作家をしています。ようやく映画「怒り」を見ました。

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簡単に概要説明。

ある夫婦が惨殺された現場に「怒」の血文字を残して未解決となった事件から1年後。犯人は「山神一也」という人物だと判明するものの、整形手術をして逃亡を続けています。疑わしいとされるのは3人の男。千葉県・房総の田代哲也、沖縄の離島にいる田中信吾、東京都内の大西直人。

映画『怒り』あらすじ・キャスト【殺人事件の犯人をめぐる群像劇】から引用)

この疑われている3人が、松山ケンイチ、森山未來、綾野剛。

実は彼ら顔が似ているんですね。最後までこのうち誰が犯人かわからない仕掛けとなっています。

 

そしてこの原作を書いたのが吉田修一さん。なんと犯人を決めずに書き始めたらしい。

【インタビュー】渡辺謙×吉田修一 作家が産み落とした『怒り』と俳優が受け止め、体現した『怒り』から引用。

 

もう一度言います。

 

犯人を決めずに物語を書いたんですよ?

 

 

 

 

犯人を決めずに書いたんですって!?

 

 

すっっげーーー!!

 

ということで僕、今興奮しています。

 

というのも、この作品「最後の最後まで3人の誰もが犯人でありえる」っていう緊張感がたまらなかったんですけど、その理由がまさにこの「犯人を決めずに書いた」に凝縮されているような気がしたからです。(というか僕の中ではもうこれで確定です。)

作家自身も考えてなかったことを書くから、読者も驚く

と、ここで「小説講座 売れる作家の全技術」という本のある箇所を思い出しました。 

小説講座 売れる作家の全技術  デビューだけで満足してはいけない

小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない

 

 一部引用してみます。

プロットで大きく物語を膨らませられないのが欠点だと思う人は、とにかく自分を追い詰めてみること。

あり得ない状況、先の考えられない状態に物語を持っていく、そしてそこから大逆転を考える。最初に大逆転を考えて、そこから逆算して物語を作るという方法だと、どうしても話がこぢんまりしてしまう傾向があります。

それに比べて、答えを出さないで作った設問は、自分で考えもしなかったような答えが出てくるため、読者を驚かせる力を持つ。当たり前ですよね。作者も知らないことを書いているんですから(笑)

この部分、僕が「怒り」で感じたことと似ていませんか?

またこんなことも書かれていました。

「起承転結」のストーリーを考えるとき、皆さんはたぶん一つの謎を考えて、その謎解きを「結」に持ってこようとするでしょう。主人公が冒頭で出会った謎を解いて物語が大団円を迎えるという発想をしてしまう。でも、ここでもう一ひねりしてもらいたいのです。「結」で解こうと考えていた謎を、「承」から「転」のパート、全体の三分の二くらいのところで一度解いてしまいましょう。 一つめの謎を解き、新たな謎を作る

 

「そんなに早く謎を解いてしまって、物語の残りはどうするの?」と皆さんは疑問に思うでしょう。

皆さんが疑問に思うことは、読者も必ず疑問に思うはずです。「冒頭で提示されたこの謎を解く物語なんだな」と思って読んできたのに、全体の三分の二あたりで謎が解けてしまう。

「えっ、これで終わっちゃうの? でも、まだこんなにページが残っているのに、どういうこと?」と。ここで、新しい謎を作ってください。物語をひねって解いて、さらにひねって解く、結び目が二つある二重構造の物語にするわけです。 

ここもすごく共感する部分がありました。

自分も小説を書いていると「最初に考える起承転結」は、やっぱり予定調和なものがあるんですよ。

 

「頭」で考えたものというか。一本調子になりやすい。

それを敢えて崩し、ひっくり返して書かれた物語は、当初の自分が想像しなかったまさに急展開であり、それを見た読者も「おお、そうなるのか!」と驚いてくれる。

 あの有名な作品も一度、壊された後に作られた。

 実は上記の方法は、決して特別な作り方ではありません。あの有名な作品も、当初の構成を大幅に崩した後に作られているのです。

「成功はランダムにやってくる」という本でこのような記述があります。

 「私たちにも失敗作はあります。公開していないだけです。」とキャットムル(ピクサーの社長)は続けて説明した。「『トイストーリー2』は一度やり直しました。『レミーのおいしいレストラン』はオリジナルの脚本のうち最後まで残ったのは一行だけでした。『カール爺さんの空飛ぶ家』の初版は、空に浮かぶ城が舞台でした。そこから残ったのは、鳥と、『UP』というタイトルだけです。」

成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方

成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方

 

まとめ

ということで、自分が考えた最初の物語を壊すこと、最初の構成を逸脱することを恐れないことは作品を書く上で非常に大事な要素のとようです。

 

なるほどね、メモメモ。

 

 

 

って言われて、すんなり出来たら苦労しないんだけどね!!

 

でも意識することで少しずつでも自分のモノになっていくのは間違いありません。 

新作に取り掛かっている方は、まず試しに今回の要素を取り入れてみてはいかがでしょう?

 

では今日はこの辺で!