作家が「生産性を上げる」とは一体なんなのか?ちきりんさんの「自分の時間を取り戻そう」を読んで。

生産性とは? 

自分の時間を取り戻そうを読みました。

「生産性」と聞くと工場労働や単純作業についてのことだと思うかもしれませんが、日常生活において、またクリエイティブな仕事において共通する内容でした。

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

 

 まず本書での「生産性」の定義。

生産性とはあくまで「自分が手に入れたいもの」をいかに少ない投入資源で手に入れられたか、という指標です。

と書かれています。「投入資源」=「時間やお金」です。

また、ある目的を達成する際、「割り当てる時間を増やす」のではなく「自分にとって最も価値の高いことを優先しましょう」というのもテーマとなっています。 

世の中には、次から次へと新しいことを手がける人がいます。こういった驚くほどたくさんのコトをやっている人というのは、反対に「誰でもやっていそうなこと」をやっていません。

 「お金があるから、やりたくないことを他者に任せられる」のではなく、「自分の時間を価値が高いことに集中して使っているから効率よく稼げ、それ以外のことを他者に任せる経済的な余裕が得られる」のです。

非常に共感できる内容です。

僕らが日々書ける文章量にはやはり上限あり、1ヶ月で作ることのできる作品数にも限界があります。

となると「どんな作品を作るとウケる可能性が高いのか?」「どこに発表するのが最も効果的なのか?」と戦略を練ることは非常に重要です。

 

僕は文学賞に応募するよりWEB小説での活動に重点を置いているのは「少しでも売れる可能性をあげるには?」を考えてのことです。(詳しくは下記の記事にて)

www.mizutanikengo.com

もちろん偉そうなことを言っていても、実際に出してみないと分かりません。

裏目に出ることもあるでしょう。

それでも「こうじゃないか?」と自分なりの狙いを持って動くことで、次回以降の更に生産性の高い取り組みへと繋がります。

クリエティブの生産性を上げるには?

作家をしていれば、筆が乗る時と全く乗らない時もありますし、アイデアが出ず、行き詰まることも起こりえます。

「クリエイティブ」と「生産性」は相容れないようにも感じますが、実は密接な関係があるのだと本書では書かれています。

自分がクリエイティビティを最大限に発揮したいと思ったら、どんな環境に身を置くのがいいと思いますか?

アーティストなど高いクリエイティビティを求められる人の中には、森の中の別荘や海の近くのリゾートホテルを創作の場として選んだり、人の手が入っていない秘境エリアを訪れ、新しい着想を得ようとする人などがたくさんいます。

彼らはお金と時間が余っているから遊んでいるのではなく、都会とはまったく異なる非日常の環境に身を置くことで今までにない発想を得ようと、わざわざそういう場所に移動しているのです。

別の言い方をすれば、「クリエイティブワークの生産性をできる限り高めるために、自然の中に身を置くという方法を意識的に選んでいる」のです。

もちろん人によって「アイデアが出やすい環境」は違うでしょう。

どうしたら自分のアイデアが出やすいのかを常に模索し、最も効率よく仕事を進めていく環境を整えていくこともまた「生産性をあげる」ということなのです。

 執筆の時間確保のために

専業で作家をやっている人は少ないはず。ということは本業の合間に「いかに執筆の時間を作るか?」が重要になります。 

本書で書かれているのは「まずは仕事にかける時間を徹底的に短くすることで、必然的に人は生産性の上がる道を模索し始める」というもの。

また少し引用を見てみましょう。 

まずは今の仕事を、特定の時間で終わらせると決めてしまいましょう。たとえば、今、夜の9時までかかっている仕事は6時に終わらせると決めてしまいます。そして、そのためには仕事のやり方をどう変えればいいのか、よく考えてみるのです。 それにより浮いた3時間の使い方はみなさんの自由です。

「こんな短い時間ではとても無理だ!」と思える予定表ができあがります。ここではそれこそがポイントです。 生産性を上げたければ、予定表を見たときに「ありえない!」と思えるような予定表になっていないと意味がありません。

最初は「そんな短い時間でできるわけないじゃん」と思うのですが、毎日そうやってチャレンジしているとどんどん生産性が上がり、いつのまにかできるようになってしまいます。

「時間ができたら執筆しよう」ではなく「先に執筆の時間を確保し、その時間までにいかに仕事を終わらせるかを考えること」が大事なんですね。

文字媒体のこれから

やや話が逸れますが、「文字媒体の生産性」についての話も書いてありました。

 「判断基準としての生産性」の重要性に気づいたのは、YouTuberとして生計を立てる人が出てきたときのことです。大人気YouTuberの動画を観ながら、私は残念でなりませんでした。

私の強みは文章力にあるので、今はブログや本でメッセージを伝えています。でも動画や漫画に比べて文字=テキスト分野は、とても不利に思えました。地味で市場規模も小さい。

(中略)

でもあるとき文字(テキスト)の生産性の高さに気づいた私は、すっかり気分がよくなりました。当然ですが、2時間の対談を聞くには2時間の時間がかかります。

(中略)

でも、2時間分の対談の書き起こし原稿が手元にあったら、多くの人は30分もかからず、全体の主旨を理解することができます。速い人なら15分ほどで理解できるでしょう。これはテキストの生産性が動画より4倍から8倍も高いことを意味しています。

「お、やったっ!」と読みながら思っていたのですが、一方でこんな話も出てきました。

 時々「クリエイティブな仕事はなくならない」という人もいるのですが、これも違います。すでに人工知能に作曲をやらせたり、絵を描かせる、小説を書かせるといった実験は始まっています。

レベルはまだ高くありませんが、パターン化されたドラマの脚本やポスターデザインなどであれば、早晩「そこそこのレベル」になるでしょう。しかもその創造スピードは、人間よりはるかに速いのです。

その一方、ライブハウスでお客さんの雰囲気に合わせて曲の順番を変えたり、トークで会場を盛り上げながら即興も交えて演奏するミュージシャンの仕事を、人間よりはるかに高い生産性で実現するのは、人工知能付きロボットにとっても難題です

人工知能の進出を受け、今後大事になってくるのはライブ感や即興的な創作物になりそうです。

小説は残念ながらそれらとあまり相性がよくありません。

 

その故に、個々の作家がどんな道を探っていくのか、非常に興味深くもあります。

僕も自分の作品を実験的に試しながら、これからの作家のあり方を見つける道を少しでも示たらと思っています。

 

ということで、「自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方」非常にオススメです!是非一読を!

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方

 

ではでは!