作品の質が良いだけでは響かない。一定の「ゆるさ」がギャップを生み、ファンを増やしていく

年明けの「乃木坂ってどこ?」を見ていて

f:id:mizutanikengo:20170126000032j:plain

水谷です。作家をしています。

年明けから、「乃木坂ってどこ?」という番組にハマってました。

www.youtube.com

その際に漠然と思ったのは、WEB上のコンテンツはグダグダなくらいがちょうど良いなぁ」ということ。今日はそんな話。

「抜け感」が心地よい

この「乃木坂ってどこ?」という番組。MCバナナマンで、乃木坂46の子たちとトークや企画をしていくバラエティなのですが、基本的にユルユルです。

バラエティに不慣れな子も多いですし、長年お笑い芸人として活躍してきたバナナマンさんと比べたら、やはりトーク力は見落としする。

でもそのしどろもどろ感がついつい応援したくなるんです。気づけば最後まで何時間も見入ってしまいました。

 

そんな時、こんな記事が目にとまりました。「隠居系男子」鳥井さんのブログ(この方の記事はいつも鋭い考察ばかりで、オススメです)

一見シュッとしてるけど、見る人が見ればがむしゃらでダサいが大事。 | 隠居系男子

一部引用させてもらいます。

誤解を恐れずに言えば、ウェブメディアを利用してうまくブランド化させていくためには、絶対に抜け感が必要になってくる。読者の方に共感してもらうために、です。

特に、ウェブの場合はこれが顕著だと思います

 「乃木坂ってどこ?」を楽しめたのは、この「抜け感」にあるんじゃないかなと思います。

クオリティが低くても良いのか?

じゃあ、これからの作品には質が求めらないのかと言えばそんなこともない。

再び乃木坂46を例に出してみますが、例えば彼女たちのフィールドである「ライブ」は舞台や演出、ダンス諸々含めて非常に質が高い。

www.youtube.com

この番組を見た後に、初めて彼女たちのライブ映像を見たのですが「え?本当に同じ人?」と驚いてしまいました。

それほどに素晴らしいパフォーマンスをしているのです。思わず、そのギャップに鳥肌が立つくらい

どこを「真剣」にして、どこを「ゆるゆる」にするのか

この一連の出来事で強く思ったのが、ファン獲得のためには「真剣」と「ゆるゆる」によって生まれる「ギャップ」がとにかく大事ということ。

全てをカッコつけるのも、全てをダサくするのもダメ。

両極端を発信することでファンが増え、ファンが集まってきます。

 ライブ配信でその傾向も強くなっている

「何を今更…」と思うかもしれません。確かにSNSが台頭してきてからずっと言われていたことです。

しかし、昨今のライブ配信の盛り上がりを踏まえると、その傾向はより強くなったように感じます。編集したカッコイイ動画より、ダラダラと話す映像の方がファンにとって価値があり、そして新しいファン創出につながっています。

もしかしたら、ファンから求められている「真剣:ゆるゆる」の割合は、今までの「7:3」から「3:7」へと変化しているんじゃないですかね。(完全に主観ですが)

どこかカッコつける作り手たち

 「いやいや自分はプライベートを発信している」と主張する方もいるでしょうが、多分「抜け感」までいっていないと思うんです。ファンがいればいるほど、どこかカッコつけてしまうんですよね。

またしても乃木坂の例で恐縮ですが、この番組では、綺麗や可愛いを売りにするはずのアイドルたちに、けっこうひどいことをさせています。

f:id:mizutanikengo:20170126001952j:plain

バンジージャンプ、運動神経の悪さ、全力の顔芸、スベっているエピソードトークなどもどんどん出しています。

また「お父さん嫌い」や「実は性格悪い」「こんなファンがいて面白かった」など、アイドルとしてそれ言っちゃって大丈夫なの?的な話もしている。

f:id:mizutanikengo:20170126002038j:plain

見た目でも性格でも「うわぁ」と思える映像がけっこう出てきます。

そして、だからこそ僕はハマったのです。

仮に、彼女たちがおしゃれな街をおしゃれな服を着て、小粋なトークをしているだけの番組なら絶対に見ません。体を張って恥をかいているのを見ているから、ライブ映像を見て「おお!」と感動するし、たまにあるコスプレ企画とかで「やっぱ可愛いなぁ。」と再認識する。

一種の「ダサさ」を惜しげもなく出しているからこそ、「ギャップ」が生まれているのです。

 

「作品」ではなく「作家」にファンをつけるために

少し自分のジャンルである小説の話をしますと、最近では、WEB小説では「作家」ではなく「作品」にファンがついてしまう問題が指摘されています。

つまり、「この作家だから買おう」ということが中々ない。有名なWEB小説のタイトルを知っている人は多くても、その作者となると意外に答えられないんですね。

それは、もしかするとWEB小説投稿サイトでは作家の「真剣な」部分しか出せていないことに一因があるのかもしれません。日常の緩くてグダグダな部分を読者に知ってもらうことができない。(発信しても届いていない。)

はあちゅうという事例

自分のダサいところを出しながら、作品販売に結びつけている人(「この人の本だから買おう」という人)って誰だろうと考えた時、はあちゅうさんが思い浮かびました。

彼女は、「ベストセラー小説を出し続け、次々にドラマ化、映画化になっている作家さん」とは少し毛色が違います。

注目すべきは「はあちゅうが書く小説ってどんなものだろう?・・おお!面白い!!となっている点。

普段から「自分のダサい部分、弱い部分」をしっかり出している彼女だからこそ、「真剣な部分(小説)」を見て、そのギャップも含めて「おお!面白い!!」となったのでしょう。

これからの時代を生きる小説家として、参考にする在り方なのかもしれません。

 

ブランディングでファン獲得を考えている人は「真剣な部分」と「ゆるゆるの部分」の使い分けを意識してみると良いのかもです!