ラーメンズ小林さんの著書「僕がコントや演劇のために考えていること」がアイデア作りのための示唆に富んでいる

「僕がコントや演劇のために考えていること」

僕がコントや演劇のために考えていること

僕がコントや演劇のために考えていること

 

 「自分が作ったもので、目の前の観客を楽しませたい」新しい笑い、見た事のないエンタテインメントを作り続ける小林賢太郎の、「面白くて、美しくて、不思議であるための」99の思考。

ラーメンズ小林さんが自らの作品について語った本。

クリエイターとして心構えや作品との向き合い方などが書かれているのですが、それ以上に「アイデアをどのように生み出しているのか?」について非常に大きな気付きを与えてくれた一冊です。

「アイデアは思いつくというよりもたどりつくもの」

正直、この一文が小林さんの作品を生み出す姿勢の"全て"を物語っています。この一文さえ知っておけば本書を理解したといっても過言ではありません。いや、

やっぱり過言です

それだけでは語りつくせないほどギッシリと内容が詰め込まれた本です。しかし、やはりこの一文が小林さんの根幹にある考え方なのは間違いありません。

具体的な文章を引用してみます

アイデアは「ひらめく」とか「おりてくる」と表現されることがありますが、僕は「たどりつく」ものだと思っています。

日常の全てにたどりつくためのヒントが隠されています。

 では、どうやってそのヒントを見つけるのか?

それが次の章のタイトルにもなっています

「ルールを発明できれば、なんでもないものが宝の山になる」

身の回りにある言葉や物事。そこからアイデアのヒントを得るためには、"ルール"が必要なのだと書かれています。

あるとき「戸塚区」という地名が、口にだすと打楽器の音に似ているなと気がつきました。(中略)同じ条件の地名を思いつくままに書き出してみたら、これがけっこうあったのです。(中略)

こんなふうに、特に面白くもない普通の言葉も、ルールを与えることで使える素材に化けてくれることがよくあります

「完成品を素材にする」

消費者がお金を払って買うのは、自分で作れない物です。「これなら自分でも作れそうだ」と思ったら、購買意欲は一気に薄れます。

(中略)観客の想像を上回っていなければ、チケット代に納得してもらえません。

(中略)しかし、僕はあるやり方を見つけました。これを実践するようになってから「どうやったらこんなコントを思いつくんですか」と聞かれるようになりました。

本書の中で一番、ハッとさせられた部分。ラーメンズの重層的な物語の秘密が記されています。

まず、自分一人の脳みそで考えてコントを一本完成させます。この段階で十分ライブで成立するクオリティまで持って行きます。でもこれは上演しません。次に、そのコントのことを一回忘れます。全く違うことに気持ちを向けたり、何日か放置したりします。

 それからもういちどそのコントを取り出してきて「素材」として扱うのです。これは推敲とは違います。全く別な物の一部してしまうのです。劇中劇として扱ってしまったり、別の完成品とミックリスしてしまったり。

 既にそれだけで十分通用するほどの作品を、掛け合わせて新たな一つの作品にしてしまう。いわゆる「量が質に転じる」という一つの例ではないでしょうか?

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まとめ

今回は本書のアイデア作りの部分だけを取り上げましたが、演劇を作るための方法論や役者としての心構え、センスあるチラシの作り方など、演劇に関わっていない人が読んでも面白い内容となっています。

興味がある人は是非、一読を!

僕がコントや演劇のために考えていること

僕がコントや演劇のために考えていること