これからのWEB小説業界は、チャットフィクション形式が主流となりそう

チャットフィクションって?

水谷健吾です。作家をしています。
 
今日は、最近僕の中で注目が急上昇しているチャットフィクションについて。 
何はともあれ、まずはこちらのアプリ画面をご覧あれ

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画面をタップすると

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次のメッセージが出てきます。
凄くないすか?
 
 
これで小説なんだぜ!? 

メッセージアプリ型の小説

チャットフィクションを端的に説明するなら「メッセージアプリ型の小説」
会話の占める割合が多く、テンポが良いのでさくさく読めるのです。
 
 
ちょうど一年半前、現在は公式連載をさせてもらっている「comicoノベル」の吹き出し機能を見て、

これはすごい……!

と感動していたのですが、
 

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(最近完結した超人気ノベル「文字生物( ^ω^ )育成日記」著・水谷健吾のスクショ)
 
今回もまた大いに衝撃を受けました。
 
 
こりゃもう革命だなと。
 ファンファーレ鳴ってんなと。

これから流行るであろう理由 

チャットフィクションは近いうちに日本でも流行るんじゃないかと思っています。

その理由はずばり「読みやすい」「課金しやすい」いう2点。 

①「読みやすい」

もうね。
とにかく読みやすいんですよ!
 
ほんとサクサク読める!多少文章が稚拙でも関係ないです。
 
 
Webで小説を書いておいてあれなんですけど、個人的には「Webで小説読むのってエネルギーいるな」と感じていました。(だからこそ、いかに選んでもらうかに力を入れてきたのですが)
 
やっぱり、同じ物語が漫画にも存在するならたいていは漫画を選んでしまうと思うんです。 
 
しかし、僕らは日々Twitterに流れてくる文章やラインのメッセージを相当な量、読んでいます。
だからこそメッセージアプリに近い小説は非常に身近で、ストレスなく読めるんです。
でも多分、批判も出てきそうだよね
おそらく初期の段階では「こんなものは小説じゃない」的な意見が出てくるのでしょう。
 
かつて携帯小説も同じようなことを言われながらも、今では「小説家になろう」で一位取ることの方が、文学賞を取ることよりも売れる根拠になっていると言われています。
 
チャットフィクション形式もまた一つの小説のあり方になっていくはずです。

②「課金しやすい」

海外発のチャットフィクションアプリ「HOOKED」は、ある程度読むと40分間続きを読めなくなり、今すぐ読みたいなら課金。というシステムが組み込まれています。
 
これ、ソシャゲ世代の僕らからしたらあっさりと課金してしまうんです。
とても自然にお金を払う流れができている。
 
もはや「漫画の続きを買う」「小説の続きを読む」という感覚ですらない。シナリオゲームに近いとも言えます。
そしてどうやら今の日本ではその方がユーザーもお金を払いやすいようです。

今出ているチャットフィクションを比較 

ということで、今現在どんなチャットフィクションが出てきているかをご紹介。
ただ正直なところ「これだな」というサービスはまだありません。
 
作品数が少なかったり、海外発のため翻訳がおかしかったり。
ただ2017年の秋以降、新たにチャットフィクションサービスがリリースされるようなので、今後も動向はチェックしていきたいと思います。

「HOOKED」

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今のところ一番良さげかなというアプリ。ただ海外の文章を日本語訳しているので、映画の字幕のような表現が目立ちます。
 
また、がっつりプロが作品を書いているといった感じでもなさそう。
それでも読み進められるのはチャットフィクションという形式だからこそかもしれません。

「Balloon」

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最近リリースされたサービス。
comicoのように曜日ごとの連載形式を取っています。まだまだ作品数が少なく、1話しか公開されていない作品ばかりなので、今後どのような展開になっていくか注目です。

「TEELER」

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自分で書けます。誰でも投稿できるというスタイルのためか、読める作品は玉石混交な印象。
どこかで聞いたな、という話もいくつか載っていたりします。

チャットフィクションの懸念点

チャットフィクションは、非常に可能性を感じるサービスである一方、懸念点もあります。

①形式が似たような形になる

「離れたところにいる2人がメッセージで会話している風の作品」がどうしても多くなります。
ナレーションや情景描写も極力少なくなっているので、ファンタジーやSFなど、全く新風景を地の文で説明する必要がある作品は相性が悪いかもしれません。
 
ただそれ故に、全く新しい形式やジャンルが開拓される可能性があります。
それこそ「小説家になろう」で異世界系というジャンルが確立したように。

②登場人物を増やしにくい

いきなりキャラクターが3人以上いると、誰が誰だか分からなくなります。
その人の外見をいかに表現するか、会話だけで各々の個性をいかに立たせるかが重要になるかなと。

これから小説はどうなっていくのか?

テキストによる物語は廃れない

基本的に「テキストによる物語」が廃れていくことはないはずです。
時代の変化や僕らがインフラとして使っているサービスとともに、形が変化していくだけ。
 
メッセージアプリが主流になった今、チャットフィクションというのもまた一つの答えでしょう。
では他にはどんなものに可能性があるのか?

「小説のブログ化」という可能性

もう一つは「小説のブログ化」かなと思っています。
 
小説だと読む前にエネルギーがいりますが、ブログならさくっと読み始められるため、「ブログの形をとった小説」もありなのではと思っています。
 
ちなみにこれは「ブログで小説を発表する」という意味ではありません。
例えば「虚構新聞」などのフィクションサイトが近いのかも。
 
ということで「ブログ形式の小説」を作ってみました。
宇宙人のためのキュレーションメディア「地球ぺろり」です。
ぜひご覧ください。