「ビギナーズラック」は「よくわかんないけどやってみた人」にだけ訪れる

水谷です。作家をしています。
「食糧人類」4巻が来月、発売されます。ありがたいことです。
 
この本の元になる小説を始めて出したのが大学生の頃。
まだ20歳とか21歳でした。
 
作家として、初めて完成させた長編です。
文字数も3万字程度、あちこちに誤字脱字があって、表現力も乏しく、無理やりな展開もチラホラ。
 
それを何度も推敲し、崩しては作り上げ、今ではとても気に入った話となっています。
食糧人類

食糧人類

 

再現性のないノウハウ

「どうやって作家になったのですか?」と聞かれること増えました。
最近の行動に関しては、一つ一つその理由を説明し、その結果をきちんと伝えられるのですが、食糧人類について声をかけてもらったことに関しては、
「運が良かった」
と答えるようにしていました。
 
さらに深く聞かれることがあるのなら、先ほど書いたように、
「最初に書いた時、それはもうひどかった。あれを漫画にしたいと言ってもらえたのは本当に運が良いことで、今こうやって注目してもらえるのは原作と作画の先生のおかげだ」
といった旨を伝えると、少しがっかりされることはあります。
 
その気持ちはよく分かります。つまり、僕の言葉には再現性がないんですよね。
「宝くじ当たりました」と言われたのとほとんど同じです。
 
なので、「運が良かった」ということを前提にし、自分が伝えられることはないかなと考えてみました。

初心者だからこそ出す

その一つに「とりあえず出しちゃえ」の精神があるんじゃないかと思っています。
 
当時の自分ですら「うーん、気づけば凄い展開になったな」と思っていた作品。
人によっては「お蔵入り」という選択肢を取ることもあるでしょう。
 
しかし、それでも投稿サイトに出していたからこそ(勇気を振り絞ったというより「まぁ良いっか出しとこ」程度でしたが)、漫画化の話がきた。
そして原案小説をKindleで出すことになり、ほとんど1から作り直すレベルで書き直し、こうやって多くの方に読んでもらえています。
 
ビギナーズラックというものは、当然ですが行動した人だけにしか訪れない。
「初心者だからまだ作品を出せない」と考えるのか、「初心者だから下手でも良いんじゃん」と思えるのか。
 
説教臭くなってしまいましたが、そんな些細な違いがとても大事なのだと思っています。