今後、主流になるであろう「キンドル・アンリミテッド」
水谷です。小説家をしています。
作家としてやはり動向が気になるのが電子書籍。本当に手軽に出版できるようになりましたよね。ありがたやありがたや。
その中でも今回は「キンドル・アンリミテッド」について。
アマゾンが提供する「月額980円で登録された本や漫画、雑誌が読み放題」のサービスです。
サービス開始当初、大々的に注目され、その後、対象商品が激減したことで問題になってしまいました。(2016年8月くらい?)
上のような事件もあったりして、まだ懐疑的な人も多いようです。しかし作品を出す側としては今のうちに参入しておきたいところ。
ということで最近こんな本を読みましたのでご紹介します。

キンドル・アンリミテッドの衝撃 読み放題サービスの出現で、出版社・企業・個人の稼ぎ方はこう変わる!
- 作者: 石井貴士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
「キンドル・アンリミテッド」は何をもたらすのか?
出版社としては、「お金を払って本を買う時代」から、「月額980円で読み放題になる時代」への転換期ということで、従来のビジネスモデルそのものが成り立たなくなるかもしれない、新たな局面を迎えている状況にあります
まずは出版業界のビジネスモデルの変化。
作家の立場としては、今までは、「本が売れることで印税をもらうのが当たり前」だったのが、突然、「読まれたページ数によって(ページビュー課金で)印税をもらうのが当たり前」になることを意味します
いかに、最初の部分で読者をつかめるかが、鍵です。 テレビドラマでも、最初の5分がつまらなかったら、それ以上は観ないのと同じで、作家にとっては、最初の10ページの「つかみ」が勝負になります。
こちらは作家側の変化。特に「発行、購入された分」ではなく、「どれだけ読まれたか?」で収入が決まるのが大きなポイント。
最後の最後で盛り上がる作品より、週刊連載的に要所要所で山場がある物語が求められるようになります。
目標は電子書籍で50冊出版!
読み放題の1冊であれば有料の本よりも購入のハードルは低い。
本書では、その中で「月1万円読まれる本」を50冊出すことが薦められています。
キンドル・アンリミテッドでは 「月に1万円分、ページビューを稼いでくれる書籍」でいいわけです。 「1冊99円の書籍を出して、100冊売れろ」ではなく、「月額980円でダウンロードし放題のサービスに電子書籍を出品して、1万円分、ページビューされまくればいい」と考えてください。
「月1万円稼ぐ電子書籍を50冊作る」 これならば、できそうな気がしませんか?
ちなみに1ビュー0.5~0.8円と言われています。
電子書籍としてアップロードしておくだけで、もしかしたら、突然誰かが紹介してくれて大ベストセラーになるかもしれません。 無料で種をまけるのが電子書籍の世界なのです。
あなたが1冊だけ電子書籍を出したとしても、おそらくダウンロード収入は、ほとんどないでしょう。 3冊でも、それほどの収入にはならないはずです。 ですが25冊くらい出したあたりから、突然、ダウンロード数は上がってくると考えてください。 というのも、読者の目に触れる機会が、25倍になるからです
作家にとっての一番いい広告は、次の本を出すことです。 次の本が出ることで、今まで出ていた本の隣に新刊が置かれます。 あなたの本のスペースが2倍になることで、告知効果が2倍になるのです。(中略)いつかはベストセラーが出ます。 私の場合は、16冊目でベストセラーが出ました。
「25冊あたりから売れ始める」というのは一つ覚えておきたいポイントかもしれません。僕も実際に2冊ほど出してみて「思ったより売れない・・」と凹みました。
やっぱりなんだかんだ期待しちゃうんですよ。25冊出すまではまず続けてみようかなと思います。
まとめ
・「キンドル・アンリミテッド」の今後の展開次第では、出版社や作家のあり方は大きく変わる
・今のうちに作家は出版しておけ
・5冊や10冊売れなくても諦めるな。25冊出してからが勝負
以上、今後かなり面白くなりそうな業界なので作家の方は必読です。

キンドル・アンリミテッドの衝撃 読み放題サービスの出現で、出版社・企業・個人の稼ぎ方はこう変わる!
- 作者: 石井貴士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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